「うわぁ、やっぱり降っとるな…」
昨夜の天気予報どおり、雨でした。
でも決めたからには、アルペンに行くぞぉ。
スタート地点は、立山駅。
土曜日かつ紅葉シーズンだけあって、ツアー客が多数。
立山黒部アルペンルートでは個人客と団体客は改札を分けており、実は個人客の方が、待たずにスイスイ行けたりするのです。
と、ルートに入るその前に。
1箇所どうしても行きたいところがあり、バスで向かうことにしました。
2年半前の夏、初めてきたときにかな~り感動的だった、称名滝(しょうみょうだき)。
新緑の中を水が豪快に落ちていくさまも見事でしたが、この時期紅葉が見頃だよとの情報を前日に入手していた私は、あの景色が赤や黄色に色づいたヴァージョンをぜひとも観たかったのです。
しかしバスで進んでいくうち、私は悟ってしまいました。
昨日からの悪天候が、またしても行く手を阻もうと。
(こりゃ、間違いなく見えないな…サイアクだ)
案の定、バスを降りた時点で周囲は霧が立ち込めていました。
そこから上流へ20分歩くと滝が間近に見える展望台がありますが、正直あきらめモード。
そして目の当たりにした光景は…こんなんでした。
同じバスでやってきた数組の個人客も、ちょっとがっかり気味。
それでもなんとか、霧のすき間から色づいている様子をなんとかキャッチできないかとしばらくカメラ(←昨夜のうちにコンディションは回復)を向けていたのです。
するとここで、昨夜の悲劇をとりかえすかのような奇跡が。
(あれ…もしかして霧、晴れてきてない?)
最初は霧が立ち込めている状況に目が慣れてしまっただけかと思ってました。
でも今撮った写真、さっきのから明らかに周囲がよく見えてる。
そう、霧がだんだんうすくなってきて、滝の全貌が現れたのです。
同じバスでやってきた、おそらく私の両親と同じくらいの年代の中年夫婦と思わず目を合わせて感動してしまいました。
かなりテンションが上がったのと、昨日欅平で思うように写真が撮れなかった反動のせいで、バッテリー残量を忘れてとにかく撮りまくる―後から見るとどう違うのかわかんないんですけどね(笑)。
この時点でこの日の旅行の満足度の半分には達したなという感触を得て、再び立山駅へ戻ってきまして、こんどこそ、アルペンルートスタートです。
前日の記事でWikipediaからのコピーを貼っつけましたが、このアルペンルートは立山駅から複数の公共交通機関を乗り継ぎ、バスで行ける最高地点「室堂」に到達します。
後半はそこから今度は下っていき、映画「黒部の太陽」や、近年では中島みゆきが紅白歌合戦で歌を披露したことでも知られる黒部ダムを経て、長野県側へ抜けます。
立山からまずケーブルカーで急勾配を駆け上がり、美女平というところへ向かいます。
ここは野鳥や植物の生態に貴重なものがみられるそうで、四季でいうと春から夏にかけて見どころがたくさんあるようです。
駅周辺には散策ルートが整備されており、私はそのあたりを1時間程度散策しておりました…もちろん、赤黄の彩りを追い求めて。
しかし、称名滝での奇跡はすでに終わり(苦笑)、また雨足が強くなりかけるところ。
足元の多少ぬかるむ中、時間の許す限り歩いてきました。
今にして思えばもう少し上がったところがいちばんの見頃を迎えていたようですが、先日近場で観てきた紅葉と同じで、緑をメンバーに加えたコントラストもまた素敵。
再び駅に戻り、こんどはバスで1時間近く専用道路をぐいぐい登っていきます。
途中に何箇所か途中下車できるところがあり、実際に2年半前の夏には降りたポイントもあるのですが、そのあたりはすでに落葉していることもあって今回はスルー。
そう、最高地点の途中一帯がすでに落葉を迎えた、ということは…。
室堂のバスターミナルに到着しました。
この旅最高レベルの(大げさ;笑)防寒仕様になって意気揚々と降り立ちました、が。
「うぅわぁっ、さみ~!」
ふもとが雨であるならば、山頂に近いところではみぞれが吹き荒れているわけですね。
気合を入れるべく(というかあたたまりたいだけ)昼食として山菜うどんをいただき、明らかに天候に逆らいつつ散策に出発しました。
このあたりは、黒部ダム周辺と並んでアルペンルートのハイライトではないかと個人的には思うところで、みくりが池や地獄谷を中心として壮大な景色が広がり、やはり散策コースが整備されています。
2年半前の夏も、それはそれはすばらしい景色を堪能できました。
この日はは一部で雪がうっすら顔を覗かせ、ふもとよりもいくぶん先の季節を迎えようとしているようすがうかがえました。
この記事をアップした11月下旬には、湖面はすっかり雪で覆われてしまうそうです。
同じ観光ルートにありながら秋~冬の移り変わりを一挙に楽しめる…この醍醐味こそ、私が10月下旬にぜひとも訪れたかった最大の理由でした。
さてここからは、3つの乗り物を乗り継いで黒部ダムへ。
□ トロリーバス(電車のように架線から電気をとる)
□ ロープウェイ(途中に支柱が1本もない)
□ ケーブルカー(全線地下式)
2年半前に来たときは観光放水をやっていましたが、あれは夏季だけとのこと。
ちょっと残念だなぁと思いつつ、でも改めてその大きさに圧倒されます。
色づき具合は、意外にも微妙(期待過剰なだけだったかも)。
ピークは、もう1週間あとだったのかもしれません。
と、以前にもじっくり観ているのでのんびり眺めてたんですが…。
(あれ、だんだんダムの視界が悪くなってきたような…)
まさに午前中に遭遇した称名滝とは間逆の現象…雨足こそ小康状態だったのですが、あくまで天候そのものは回復していないことをすっかり忘れていて、気がつくといつのまにか霧が立ち込めていました。
さっきまでよく見えていた峡谷の彩りもだんだん見えなくなっていき、あわててカメラを向けるも、こんどは時間が夕方に向かっているせいか空そのものが暗くなっていきました。
当初、称名滝にあまり期待してなかった私としては黒部ダムの紅葉っぷりを楽しみにしていたのですが、なんとまぁあっけない幕切れ(苦笑)。
再びトロリーバスに乗り、トンネルで県境を抜けて長野県にやってきたときには、すでに辺りはまっ暗でした。
8時間近くアルペンルートをさまよって(?)いたわけですが、天候の起伏にも左右されつつ、実にいろいろなシーンに出会うことができました。
この時点で、赤黄のコントラストに対する満足度としては、こんな台風も近づいてる不運な時期であることを割り引いて考えれば、まぁこんなものかなぁと、一方ではナットクしつつ、もう一方では妥協気味の私ではありました。
(ん、“この時点”って、何よ?)
きょうの1日でアルペン越えを果たしたので、あとは帰るだけにしようと当初は考えていましたが、実はプランニングの土壇場でオプションを追加しておきました。
そのオプションが、まさかアルペンをしのぐ奇跡を起こそうとは…。